1021年12月 討伐:大江山

落胆状態での帰宅です。
ただいま、イツ花さん。戦果は……。

ん? すっごい元気そうだけど、何かあったの??

ああ、うん、そうだね。
朱点童子を倒したら、中からいっぱい神様が出てきてたもんね。

イツ花さんってば、何かその場で見てきたような風に言いますネ?

明るい未来の前祝い、か。

イツ花はこの時点では決して「大江山」とか「朱点童子」とか「悲願達成」とか、そういう類いの言葉は使わないんだよね。
いつものイツ花だったら身を乗り出しながら戦果を聞いてきてもおかしくはないだろうに。
今出てきたイツ花の発言も含めて考えると、もしや既に討伐の結果を知っていたのでしょうか?

まぁ、プレイヤーは一族の帰宅前からイツ花は大江山での結果を知っていたんだと思ってますけどね。
おおよそ、天界の太照天 昼子様に呼ばれて出向いたら大宴会中で、そこで聞かされていたとか、そういう話かと。
もしかしたら最初から……巡流が討伐を開始した1018年4月の時点で既に「一族が大江山を越えても事は終わらない」って事も知っていたのかもしれません。

イツ花の立ち位置は基本的に天界寄りだけど、それでも一族の事は役目度外視で大切にしてくれているので、昴輝達の大江山越えは素晴らしい名誉なんだよって本気で思ってくれていると信じています。
でも同時に、昴輝達の額に残っている呪いの印を見て辛い気持ちになっているから、あえて具体的な事は言わずに明るく振る舞ってくれたのかなって思います。

知ってて知らない振りを装うのも大変だろうなぁ。
プレイヤーは朱点童子討伐後どうなるか知っていたからこそ、余計にこの面子を連れての大江山越えが辛く感じたので、この場におけるイツ花の気持ちも分かると言うか。

朱点童子を倒せば全部終わるとしか考えていない冬郷の危うさに加え、直前で発生した報世と夏来の一件と、考えれば考えるほど高千穂一族にとって今が一番大江山越えには最悪なコンディションでした。
そんな状況下において、大江山の朱点童子討伐が一族全員に更なる禍根を遺すと判っていても、それでもプレイヤーには大江山へ行くという選択しかあり得ませんでした。

だって彼らは大江山越えを望んでいたから。
何も知らず、明るい未来だけを信じて前に進んでいたから。

昴輝も直近に当主の件で色々あって、それを乗り越えてきたからこそ、余計に大江山越えの当主として気合いを入れていただろうから、今は物凄く辛い気持ちでいるんだろうなぁ。
無垢で、家族思いで、幸せそうな笑顔が似合う昴輝に、今後更に表情を曇らせるような現実が訪れるのだろうと思うと、プレイヤーも心が非常に痛みます。

昴輝
昴輝

……どういう事? ねぇ、ブンさん。もしかしてブンさんは大江山で何が起きるのか、前々から知ってたの?

え? あっ、その……えっと……もしかして昴輝、今のプレイヤーの独白、聞いてた?

昴輝
昴輝

全部知ってて、でも黙ってたんだ。夏来みたいに

……………………ゴメン、昴輝。

昴輝
昴輝

………………いいよ、気にしないで。きっとブンさんにも事情があるんだよね。仕方、ないんだよね……

ゴメン、本当にごめんね、昴輝。
大江山のは、プレイヤーの一存ではどうすることもできなかったんだよ……。

主な戦利品:朱ノ首輪(石猿 田衛門 解放)