1021年11月 交神

以降、NTR要素アリなので閲覧注意です。
苦手な人はごめんなさい。全てはプレイヤーの考え足らずの所為です。


____1021年5月。

報世
報世

あれは神……天界へと戻っていくのか……?

冬郷
冬郷

報世は見るのが初めてだったか。鬼の中には朱点童子に封じられた神様がいる時があるんだ

冬郷
冬郷

ほらっ、この朱ノ首輪が神様が封じられている鬼に付いている証みたいなものだな

報世
報世

解放…………朱ノ首輪………………

朱ノ首輪に封じられた神様

逆に考えれば
神様にとって朱ノ首輪は
己の身を封じる
忌まわしき存在だ

コイツを上手く使えば
神に対する下剋上だって可能となる

そんな危険なモノが
地上にあるって事実を
アイツらはどう考えているのだろう

もしかしたら
こんな禍々しいモノをわざわざ使おうなんて
思うヤツが出てくるなんて
想定すらしていないんじゃないか?


____1021年7月。

昴輝
昴輝

あっ、雪衣さんに夏来、二人共良い所に! ちょっと相談に乗って欲しいんだけどいいかな?

昴輝
昴輝

オレの交神相手なんだけど、幻灯を見ると素敵な女神様がいっぱいで中々決められなくてさ。二人の意見も聞いてみようかなって。

夏来
夏来

今の時点でもいいから、昴輝が会ってみたいって思う神様を選んでみるといいよ。第一印象も重要だと僕は思うよ

昴輝
昴輝

そうだなー。オレが会ってみたい神様かぁ……。だったらこの二人かな??

夏来
夏来

…………………………

夏来
夏来

……そうだね、この二柱だったら月寒 お涼様はどうだい? 昴輝には月寒 お涼様が合うと僕は思うよ? 

昴輝
昴輝

そっか。だったら月寒 お涼様にしようかな。夏来にそう言われたら月寒 お涼様に会ってみたい気がしてきたよ。ありがとう、二人共!

報世
報世

…………………………?

報世
報世

……何だ? 夏来の、あの違和感がある「溜め」は

あの日、偶然居間の外で聞いていた
昴輝の交神に関する相談話

今思い返せば
あれは計算高い夏来が
一瞬見せてしまった「隙」だった訳だ

お前の事だ
きっと誰も自分の想い人に気付く訳無いと
高を括っていたんだろう

……残念だったな?


____1021年10月。

夏来
夏来

君にとって察しの良さは大きな長所だ。しかし君はあまりにも察しが良すぎて、問題を一人で抱え込んでしまう傾向が強い。昴輝はそれを心配しているんだよ

夏来
夏来

そうやって一人で心を痛めていないで、もっと僕達を頼ってくれていいんだ。そして君はもっと肩の力を抜いて、気楽に生きた方がいいと僕は思うよ

報世
報世

…………………………!!

「察しがいい」なんて
聞こえの良い言葉を使いやがって
要は俺が便利に使える存在なんだって
言いたかっただけなんだろう?

「頼ってもいい」なんて
おこがましい言葉を
よく真正面から言えたものだ

きっとお前の事だから
「自分の方が上だから施しを与えるのが当たり前」
なんて思い込んでいるのだろうな

<ruby>初瀬<rt>はつせ</rt></ruby>
初瀬はつせ

あのね、報世。前にも言ったけど、もっと気楽にした方が良いよ?

初瀬
初瀬

そんな良い子振る必要無いって。報世がどんな子だとしても、アタシは全然気にしないし、ウチの家族はみんな受け入れてくれるよ?

綺麗事なんて必要無い!
お花畑思想のヤツに
俺の苦しみなんて判るわけ無いだろう

散々好きな事だけ言って
さっさと居なくなった
そんな無責任なヤツの言葉なんて聞きたくないんだ
勝手に記憶から出てくるなよ!

夏来
夏来

僕も昴輝も君の察しの良さを大いに評価してる。だから……

ああ、そうか
あくまでお前は俺の事を
見下しているんだな
自分の事を「何様」だと思っているんだ?

それなら俺はお前の言う
「察しの良さ」を存分に利用して
お前に「反逆」してやるさ

恨むなら自分を恨めよ
全ては身から出た錆なんだからな!


____1021年11月。

夏来
夏来

…………………………

報世
報世

夏来。ここにいたんだね。探していたよ

夏来
夏来

報世。君は交神に行ったんじゃ……

報世
報世

ああ、行ってきたよ。お相手が随分と物分かりが良くてね。お陰ですぐに事は済んだんだ。滞りなく、ね

夏来
夏来

そう……なのかい

報世
報世

そうだ夏来、コレを蔵に返しておいてくれないかな?

夏来
夏来

……って、これは朱ノ首輪? 何で君はこれを……

報世
報世

僕は部屋に戻るから、ソレの片付けはよろしく頼むよ。ああ、そう言えば数日前にイツ花が蔵にお酒を隠していたのを見掛けたけど……今の君には不必要な話だったかな?

報世
報世

……それじゃ、お先に

夏来
夏来

報世………………

夏来
夏来

………………………………

ああ
何て情けない顔をしているんだよ
さすがの天才様も形無しだな

これは罰だ
他人を……俺を見くびった
罪に対する罰なんだ!

……そうなんだよ
これはアイツに対する罰なんだ
決して俺の咎では無い……筈……だから……


えっと、その、どこから話をはじめればいいのか非常に悩みますが……まぁ……胸クソ案件です。
何故こうなったって、プレイヤーの無責任プレイが起因なのですが。
まずはそこから話をしましょうか。

時を1021年11月の実機プレイ時に戻しまして。
最初プレイヤーは今後の進め方について悩んでおりました。
この辺の心境は後日纏める予定なので今は飛ばしますが、最終的に11月は報世の交神に決めた訳で。
そうなると次に出てくるのはお相手問題です。

報世は元服時に本人からの希望が無かった事もあり、100%プレイヤー都合でお相手を見繕いました。
丁度この頃は一族全体的に水の素質と風の素質(特に技の素質)が低い事がプレイヤーの中で問題になっていて、報世のお相手には是非ともこの二つの素質が高い女神様に交神をお願いしようと考えたのです。

報世の交神に使う奉納点の予算は10000点〜12000点辺り。
この予算範囲だと、既に交神済の神様と行方不明の神様を除けば、野分の前様と鳴門屋 渦女様の二択となってしまう訳です。

ここで関係してくるのが、夏来のお相手でした。
交神時に時々一族の方から「この神様がいい!」って訴えてくることがあるじゃないですか。
(俺屍プレイ時あるある案件)
当家だと過去に信武しのぶが東風吹姫様がいいと言い出した事があったのですが、夏来も信武と同じようにプレイヤーの脳内で訴えてきていたのですよ。
自分は鳴門屋 渦女様と交神したいんだ、と。

そうなると、報世のお相手にお願い出来る女神様は野分の前様の一択のみ。
ここで話が終われば全て穏便に事は済んだはずだったのに、何故かこのプレイヤーはこの時に余計な事を思い付いちゃった訳ですよ。

「ふーむ、鳴門屋 渦女様って水と風の素質が結構いいんだよね。それに夏来と鳴門屋 渦女様だと冬郷から二代連続で水の神様にお願いする事になるんだよなぁ。…………そうだ! ここは報世に鳴門屋 渦女様と交神して貰って、夏来のお相手は水の女神様以外から選ぼう!!」

……思い付いたその時は「水の神様の連続なんてよく気付いたよねナイスアイディア!」とか自画自賛してたんですけどねぇ。
後々冷静になって考えたら、これ以上無いって位に自分の選択がヤバすぎて青ざめておりました。
だがしかしその時にはもう後の祭りアフターカーニバルです。終わっちまったぜ何もかも。

何がナイスアイディアだよ大体当家は命音系統が既に三連続で土の神様と交神してるんだからそんな所今更気にすることないじゃんさ!!

こうなるとプレイ記の方でリカバリーするしかない……とプレイヤーの脳内CPUをフル稼働させて穏便な展開を考えてみたのですが、やらかした己の不祥事が大きすぎて修正不可能でした。
プレイヤーの力量ではどうしようも無かったんだ……。

この時の報世や夏来の心境については、後日違う形で書かせて頂きます。
ただ少しだけ語らせて貰うと、二人とも「越えてはいけない一線」を越えてしまった。
それが今回の出来事を引き起こしたんだろうな、と。
散々プレイヤー視点で大惨事を語らせて貰いましたが、彼等の視点から見るとそういう事なのだろうと思います。

「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」

フリードリヒ・ニーチェ「善悪の彼岸」より。